カップヌードルミュージアム(安藤百福発明記念館)に行ってみたよ。
カップヌードルミュージアムに行ってみた。
ここは、安藤 百福(ももふく)というインスタントラーメンを発明した発明家の成功までの道のりの展示と、インスタントラーメンにまつわるさまざまな展示や体験工房などがある、楽しみながら学べる体験型ミュージアム。
日清食品 インスタントラーメンヒストリーと、世界のインスタントラーメンの展示
総合プロデュースを佐藤可士和が手がけただけあって、あちこちにちりばめられている可士和イズムが堪能できる。全体的にユニクロな雰囲気。UT的なテイストで満たされてる。
この銀色の人が安藤百福。
諸説あるけれども、日清食品によると世界初のインスタントラーメンは1958年に安藤百福が発明(発売)したものであるということらしい。海外でもそう認めている報道が多く、世界の偉大な発明として広く認知されている。
事業に失敗した百福が、無一文で大阪府池田市の借家でチキンラーメンを1年間の試行錯誤の末に生み出したとのことで、その小屋が再現されている(ちょー狭い)。
お湯を注ぐだけですぐに食べられるラーメンの開発に取り組んだとき、保存性を高めるために麺を天日干しするなど試行錯誤していたが、なかなか上手くいかなかった。そのとき、妻が作ってくれた天ぷらに発想を得て、油で麺を揚げ、水分を飛ばして保存性を高めることを思いついたのだという。
そんなこんなで売り出されたインスタントラーメンは、大ヒット。その後、世界的に販売すべく視察に行ったアメリカで、インスタントラーメンを食べるときに一口大に割ってカップに入れてお湯を注ぎ、フォークで食べている彼らの姿を見て、外国にはどんぶりで麺を食べる文化がないことに気づく。
そこで発明されたのが、どんぶりにもなり、輸送の容器にもなる、カップヌードルだった。
発売当時の物価からいったら、インスタントラーメンやカップラーメンはまだちょっと高いものではあったけど、共働きの家庭が増えていく中で、簡単に食べられる気軽さから爆発的な人気を得て、各社から類似品がたくさん発売された。
中には粗悪なものも多く、製法に関する特許やインスタントラーメン協会も乱立するなど、業界は混乱した。
百福は、食糧庁長官から直々に業界の協力体制を作るよう勧告される。各社に思惑があり、まとまらない中、百福は、油の熱で水分を飛ばす“瞬間油熱乾燥法”の特許を公開することを条件に業界をまとめ上げた。
すごいよね。この時代からオープンソースの発想だよ。でも、ここで特許を抱え込まず、誰にでも公開したことでインスタントラーメンが世界的な食品になったことは間違いないと言える。かっこいい。
百福のすごいところは、亡くなる直前までアグレッシブに“考えること”を止めなかったところだ。
91歳にして宇宙食の開発に着手し、96歳で完成させた。
宇宙食ラーメンは、無重力状態でもスープが飛び散らないようとろみをつけ、またバラバラにならないよう麺を一口大にまとめて卵白でコーティング。一口で食べられるようにお湯で戻した後もカタマリの形を保つようになっている。
また、宇宙ではお湯は100度に達しないので、70~80度でも麺が戻るよう特別配合された小麦粉やデンプンを使用しているそう。無重力空間では血液が頭に上り、常に鼻づまりのような状態で味や香りを感じにくくなるので、スープはやや濃厚でスパイシーに仕上げられているのだそうだ。
あの、野口聡一宇宙飛行士が「地上で食べる味を完璧なまでに再現」と絶賛したとか。すごい。
それにしても、いろんな味が発売されては消えていってるんだなぁ。
まったく見たこともないようなインスタントラーメンがたくさん展示されてた。
これはかろうじて覚えてるような…。
そういえば、スパ王ってまだ売ってるのかな。むむ。
途中でおなかが減ったので、NOODLES BAZAAR -ワールド麺ロード-という、開発の過程で百福が食べたという麺の数々が食べられるフードコートで昼食。
フードコート内はアジアの市場食堂を再現したようなちょっとしたテーマパークになっている。
6種類味わえるという世界の麺の中から、4種類を食べてみた。1つ300円で、小振りなサイズなので、一人で2~3コはぺろりとイケてしまう。
・ラクサ(左上:マレーシア:マレーと中国の食文化の混じり合った麺。ココナッツミルクベースのスープに香辛料が入った、カレーとトムヤムクンのあいのこのような味)
・フォー(右上:ベトナム:牛肉入り。米の麺。魚醤“ヌクマム”と香草が利いている)
・ラグマン(左下:カザフスタン:羊肉入り。茹ですぎたスパゲッティのような、うどんのような麺。トマトベースソースでオイスターソースが隠し味になってる)
・ミーゴレン(右下:インドネシア:甘みのある焼きそば。現地で食べるよりなんか日本の屋台で食べる焼きそばに近かったな。そもそも麺が平麺じゃなかったし)
正直、全部マズかったー。中で食べないことをオススメする。
他にも、カップヌードルパークなる、小学生以下の子どもなら「カップヌードル」の製造工程を体感することができるアスレチックもある。……ちょー楽しそう。大人は指を加えて見てるのみ。くぅー。
■カップヌードルミュージアム(安藤百福発明記念館)
住所:横浜市中区新港2-3-4
電話:045-345-0918(案内ダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:00まで)
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日が休館日)、年末年始
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