実際どうなの?! シェアハウスの恋愛事情
「私たちはシェアハウスで知り合い、そして結婚した、いわゆる“シェア婚(シェアハウス婚)”夫婦です」と言うと、たいてい「リアルシェアハウスの恋人(ドラマ)だね。今っぽい！」とか「わぁテラスハウス(テレビ番組)みたい！」って言われるんだけど、まぁ もちつけ。みんなテレビ観すぎ。
実際はどうだったかというハナシ。
私たちが住んでいたのは、昔某企業の女子寮だったところをリノベーションしたシェアプレイス田園調布南という屋上で飲むビールがヒジョーに美味しい物件だった。この物件は、シェアハウス運営の大手株式会社リビタが運営していて、2011年2月にリノベーションが完了。夫が2012年6月、私は2013年3月に入居した。
この物件のウリは、多摩川に近いことと屋内駐輪場が立派なこと…とあってサイクリングする人を推奨しているのだけど、屋内駐輪場は1,260円/月(当時)と けっこうな維持費がかかるので、自転車好きな人が特に多かったかと言われるとそうでもなかった。
年齢層は幅広く、20代後半～60代まで。「社会人として就業し、ソーシャルコミュニケーションに不自由のない人」をリビタが求めているため、学生はほとんどいなかった。
個室は全部で73室。キッチン、リビング、DOTE(上記写真後方に見える緑のカーペットの丘)、シャワー室、ユーティリティ、地下スタジオ、屋上が共有スペースになっている。くわしくはこちら。
コミュニケーションをとるのが苦手な人とか(家賃・水光熱費・インターネット代が固定で、事務所登記もできるため、それを目当てに入居する人なんかもいた)、誰にも会いたくない日は、共有スペースに出てこないで個室にこもっているので、全員と顔を合わすことはウェルカムイベント(※後述)を除いてほとんどない。
シェアハウス運営の善し悪しは、管理会社のサジ加減にかかっているといえる。2014年7月現在、リビタは14のシェアを運営しており、他のシェアハウスとの交流も頻繁に行われている。そんな中で聞いた話によると、私たちが住んでいた物件の成婚率は他と比べて非常に高かったらしい。
なんとオープンから2年半で7組が結婚しているのだ(その後は退去してしまったのでわからない)。
リビタのすごいところは、半年に1回くらいのペースでウェルカムパーティを開いて入居者同士の交流をうながすだけでなく(その際のケータリング代やアルコールなどの飲み物代はリビタ持ち)、シェアハウス対抗のスポーツ大会(場所代や優勝チームへのプレゼント代などの資金援助あり)をしたり、マメに入居者へのテコ入れをしていたことだ。
これでなんとなく入居者の感じをつかんだり、その後話すきっかけを得ていた人もいる。
とはいえ、自分の生活時間帯と合う人と必然的に会う回数が多くなり、なんとなーく声をかけ合ううちに仲良くなり、その人を核にして更にコミュニケーションの輪が広がっていくというパターンが多い気がする。
「ただいま」を言うと、「おかえりー」って返事が返ってくる。おっきな家族みたいだった。
シェアの中には
・Run部(休日朝にランニング→みんなで朝食を食べる)
・体幹部(夕食後に体幹を鍛える運動をする)
・デ部(食べることが好きな人の集い)
・屋上菜園部
・CINEMONDAY(月曜の夜にみんなで一緒に映画を観る)
などのクラブ活動のようなモノだけでなく、急に山登りがしたくなって山登りに行く、屋久島に行ってみたいから行っちゃう、ラフティングしに行く、パンの食べ歩きに行くなど、目的に応じて急ごしらえのグループができたり解散したりしていた。
そんな中でゆるーく仲の良い集まりが形成されていき、その中でつきあい始めたりするパターンが多い。
不思議なもんで、婚活目当てでシェアハウスに入居してくる人もいるのだけど、そういう人に限ってまったくパートナーができなくて、恋愛目当てではなく入居してきた人たちの方がさくっと結婚しちゃっていたりする。
婚活のために入居してきた人は、ウェルカムパーティ や シェア破り(各シェアハウスのリビングで行われる交流パーティのことをこう呼ぶらしい)、シェア対抗スポーツイベントなどにマメに出席し、異性に声をかけまくっている。
また、シェアに住んでいる人が友だちを呼んだとき、そこに気になる異性がいたら ちゃっかりその輪の中に入ってきて連絡先を聞き出したり。
シェア内外にかかわらず、異性に声をかけまくってしつこく追っかけるので、それがイヤで退去する子もいた(運営会社も仲裁に入るのだけど聞く耳を持たないで繰り返す)。「下手な鉄砲も数撃てば当たる」と思っているのかもしれないけど、正直逆効果。
シェアハウスには幅広い年齢、様々な職業の男女が集まっているので、出会いのなさに困っている人にとっては格好の“出会いの場”ではあるけれど、チャンスをつかめるかどうかは本人の資質によるものが大きい。…というか、これまでの恋愛経験が乏しければ得られる結果もそれなりという感じ。むしろ「婚活に焦っている」感が出過ぎていて遠巻きにされていた。
とにかく「アクティブに遊ぶ大人たちの憩いの場」なので、めいっぱい遊んだ人が気の合う仲間を見つけて巣立っていく。
よく「自分を好きになることができたとき、自分を本当に愛してくれる人が現れる」なんていうハナシを聞くけれど、それが実現できる場なのではないかと思う。アクティブに遊んで、自分を楽しむこと…それができた人からパートナーができていく。
パートナーができてから結婚までの期間は、普通のカップルに比べたらちょっと短めな気がする。食事と住居が一緒で、付き合う前から生活が見えるというのがその一因のように思う。
そして今、私たち夫婦は 同じくシェア婚を果たした夫婦と一軒家に一緒に暮らしている。それだけではなく、シェア婚した人たち同士でごはんを食べたり、遊びに行くのはわりと日常的なできごとだ。
シェアで知り合った人たちは今でも大事な友だちであり、きっとこれからもこのつきあいは続いていくんだろうなと思う。いっときとはいえ、おっきな家族みたいに過ごしたあの時間はかけがえのないものだったから。
あ。そーだ。来週末はシェア婚カップルの結婚パーティに参列予定だったけ。
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2014/07/17 | かづよ備忘録
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