Songsaa Private Island -Khmer foods-

ソンサーでは食事も楽しみの一つ。ソンサーの公式サイトでは下記のように書かれている。

シェフ・ニール・ウェイガーはカンボジアからインスピレーションを受け、持続的に生産可能な地元の材料を用いて、伝統的なクメール料理に西洋のエッセンスを繊細な手法で融合させ、島の自然の恵みを生かしたメニューをご用意しています。
ソンサー プライベート アイランド 公式サイトより

また、ソンサーを紹介する様々なサイトでも「世界中のメディア、セレブ、ソーシャライト、ジェットセッターを魅了した」や「キッチンチームを率いる総料理長のニール・ウェイガーは、世界の名だたるセレブ御用達リゾートでその腕を認められたセレブ・シェフです。彼は、カンボジアの自然環境から大いなるインスピレーションを受け、クメール料理に西洋のエッセンスを繊細加えた魅力的なメニューをプロデュースしました」などの記載を見ることができ、いやが上にも期待が高まっていた。

結果は以下。

■bobo
クメール風おかゆ。見た目は泥水のようだけど、ソンサーで食べたクメール料理の中で一番美味しかった。香辛料もそんなにきつくなく、干し肉ときのこのようなものが入っていて、上にパクチーが乗っている。

■kuy teau
ライスヌードル。フォーは薄べったいけど、この麺はもっと四角い。くずきりのような断面。茹ですぎだったので、箸で持つと切れてしまうくらいやわやわ。スープの味は限りなく薄く、だしの味も塩気もあまりない。野菜はごりごりと固く、特に大根は半生。よく煮ていないから野菜の青臭さがする。正直まずい。

最終日に出てきた、おそらくクメールの家庭料理的なもの。野菜の煮付け。
なす、いんげん、カリフラワー、かぼちゃ(カンボジアのかぼちゃは甘みがほとんどない)などの野菜を薄味の魚介だしとスパイスで煮たもの。京風の煮びたしに香辛料が入ったような味わい。

イカと玉ねぎとカンポット・ブラック・ペッパーコーン(Kampot black pepper corn)の煮付け。
クメール料理では二番目に美味しかったかも。この「カンポット・ブラック・ペッパーコーン」というのが独特で、食感はコーンやいくらのようにぷちぷちしていて、はじけるとほんのり胡椒の風味がするというもので、そのまま食べても辛くないとても不思議な香辛料。
これとやわらかなイカが薄だしでやんわり煮含められており、まぁまぁ美味しかった。

■grass fed beef curry
何度聞いても「ぴっかりー」としか聞こえないビーフカレー。レモングラスとターメリック、ココナッツが利いたカンボジア風のお肉ごろごろカレー。辛みはそんなにないかわりに、ココナッツミルクの風味がものすごく強い。後味がしつこい。まずくはない。

■Khmer braised pork yellow curry
何度聞いても「ぽっかりー」としか聞こえないポークカレー。レモングラスとココナッツが利いている。豚肉は蒸し煮にされているので柔らかい。ココナッツがしつこい。辛みはそんなにない。まずくはない。
ビーフカレーにしてもポークカレーにしても、まずくはないけど、想像よりココナッツミルクがしつこい。そしてスチームド・ライス(インディカ米を蒸したもの)なので、日本人としては炊飯器で炊いたジャポニカ米が恋しくて仕方なくなる。

さまざまなクメール料理が出てきたが、すべてひと味たりないというか、残念な印象。ソムタムのような青パパイヤのサラダも出てきたがひと茹でしてるのか歯触りがぐたぐたしていて、味付けも酸味より甘味が利いていてイマイチだったり、生春巻きもエビや野菜などが少なく春雨が多すぎたり、すべておおざっぱな印象が否めない。本当に残念だった。

もう一度食べたいかといわれれば、正直に答えると「No」である。

西洋料理や日本料理アレンジと思われるものについても後述するが、全体を通して料理は「中の下」レベル。
メディアなどで料理について絶賛されているけれども、創業当時もしくはメディアが入るときだけシェフが変わっているからなのか？　私たちが食べたときは、すべてにおいて味が大雑把で、勉強が足りてない感じが否めなかった。

確かにカンボジアでは美味しい料理を作るひとなのかもしれない。だけれども、各国の料理を食べて研究した…という感じがしないのだ。たとえば、デザート(写真は一例。チョコレートとナッツのケーキとバニラアイス)。何を食べてもとにかく甘い。ひたすら甘い。一口含んだだけで歯が溶けるかと思うくらい甘い。これって、インドとか暑い地方独特のデザート文化だと思う。
甘さと苦みのバランスとか、甘さと酸味の融合とかそういうことが一切無視されている感じ。とにかく、ひたすら甘い。歯が痛い。一口で離脱。

なんで洋菓子を学ばないのだ。やる気がないなら無理して出すなよと言いたい。

伝統的なクメール料理に西洋のエッセンスを繊細な手法で融合…とあるけど、とても融合しているとは言い難い。そんな味。

 

【Songsaa Private Island (ソンサー)関連項目】

1.カンボジア雑感。
2.カンボジア シアヌークビル ロン島(Koh Rong)ローカルヴィレッジツアー
3.ロン島(Koh Rong)ローカルヴィレッジツアー その2
4.カンボジアで結婚式を挙げてみた
5.ピッカリー/ポッカリーの謎
6.ソンサー プライベート アイランド(Songsaa Private Island)
7.Songsaa Private Island -Overwater Villa-
8.Songsaa Private Island -Oceanview Villa-
9.Songsaa Private Island -Dinner place-
10.Songsaa Private Island -Khmer foods-
11.Songsaa Private Island -Other foods-
12.Songsaa Private Island -総合評価-

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